占い師いけだ笑みのブログ

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「破婚」及川眠子を読みました
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    「破婚」及川眠子を読みました。

     

    すざまじい内容。半分をすぎたあたりから、途中過呼吸発作が起こるんじゃないかと何度も本を閉じて深呼吸しなければならないくらいスリリングで恐ろしいストーリー展開でした。18歳年下のトルコ人との13年間で作家が三億円失い、離婚時に7000万円の借金を背負うまでの告白なのだが、馴れ初めから順に過不足なく事実説明がされており、気が付いたらスティーブンキングよりも怖い物語に引きずり込まれてしまう。

     

    読後は息も絶え絶えに、「逃げられてよかった!!」という悪夢から覚めたときのような気持ちでいっぱいになるのだが、ふとこれが男女逆の立場だったら?という思いが頭をよぎる。

     

    作者「あとがき」にあった、「あなたは13年間、ワタシをバカだと言い続けた。」という元夫のセリフ。彼が彼女に抱いていた愛憎は、愛情と引き換えに男から大金で養われ続ける女性の愛憎そのものだと感じた。それを、男性の、それも異文化のクルド人式で体現するもんだから、金額もせびりかたも、スケールが平凡な日本人女性のそれとはケタ違い。ホラー小説のようでもあり喜劇のようですらある狂気じみた展開を迎えることに。

     

    だが根底に流れるテーマは、人のお金を、愛情やセックスや気配りや家事や家族サービスなど有形無形の情念を提供することで引き出し続けることの苦しさと、引き出され続けることの苦しさにあると思いました。出す側も出させる側も疑心暗鬼と自尊心の崩壊に行きつくしかない地獄のサイクル。

     

    男女という身体の構造も文化も違う生き物が「結婚」すると、そこには引き出す者と引き出されるもの、そのかわりに提供されるものとそれを甘受するもの、そういったギブ&テイクが次々に発生するわけで、その戦いの中でバランスを崩したときの恐ろしさがタイトルの「破婚」なのだと思う。このタイトルに感動をおぼえる。

     

    私自身も17年争い続けたギブ&テイクのバランスがおかしくなって「破婚」に至る経験をしているので、スケールは違えど、その焼け野原から立ち直る努力を今でもし続けているので、そんなときにこの本に出会えてよかった。

     

    これだけ怖いテーマをサラリと描いておきながら、関わった男すべてを利用しながら生きてきた自身のしたたかさを告白しながら最後に希望を与えてくれる作者の優しさに感謝。この人は本当に多くを人に与える人なんだなぁと。ケチで怖がりの私にはとても見習うことはできないが、ひたすら尊敬!!

     

    最期に占星術的感想。及川さん、私とライツが逆。LUAさんと同じ、太陽水瓶座で月が蟹座でした。ライツ逆って似て非なるものだと再確認できたのも大収穫。

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